カタカナは、日本語で使う3種類の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)の1つです。カタカナはひらがなと同じく音を表す文字です。カタカナはひらがなより使われる数は少ないですが、日本語を習得するためには必ず覚える必要があります。

この記事ではすべてのカタカナを紹介して説明します。まだひらがなを覚えてていない人は、先にひらがなを覚えることをおすすめします。

ひらがなとカタカナが生まれた理由

4世紀に中国から漢字が伝わるまで、日本には文字がありませんでした。その後8世紀ごろまでは漢字だけが使われていましたが、漢字は文字が複雑で、同じ音を表す漢字が複数あるため不便でした。そこで、簡単に書けて、音を表記する文字として生まれたのがひらがなとカタカナです。

ひらがなとカタカナが生まれた時代はほぼ同時ですが、用途が違っていました。ひらがなは主に物語や和歌などの芸術に使われ、カタカナは学問に使われました。時代とともに用途は変わっていますが、ひらがなとカタカナは両方とも現在まで使われ続けています。現在カタカナには主に以下の3つの用途があります。

  1. 外来語を表す
    ・スマートフォン、レストランなど外国語由来の名詞
    ・アメリカやベトナムなど外国の国名(中国など漢字を使う国は除く)
    ・ロンドンやローマなど外国の都市名
    ・ジョーバイデンなど外国の人の名前(漢字の名前は除く)
  2. 擬音語・擬態語を表す
    ・ワンワン、ニャンニャンなど動物の鳴き声
    ・ザーザー、ゴロゴロなど天気や自然の音
    ・カチッ(クリック音)、ブーン(虫が飛ぶ音)など物の音
    ・ドキドキ(心情)、キラキラ(目や宝石が輝いている感じ)などの擬態語
  3. 強調のため
    文章の中で際立たせたり、学問的な印象を出すため

1の外来語は例外が少なくほとんどの場合カタカナを使いますが、2と3は例外が多くはっきりとした決まりもないため、ひらがなや漢字も使われることが多いです。そのため、慣れないうちは2と3はあまり気にせず、外来語はカタカナで書くということを覚えておけば良いと思います。

カタカナの覚え方

カタカナはひらがなと対になっていて、文字の音や数はひらがなと同じです。そのため、まずひらがなを覚えてから、それと対になるカタカナを覚えることをおすすめします。

50音

ひらがなと同じく、基本のカタカナ一式を50音といいます。文字数は撥音の「ン」を含めて46文字です。下の図に、カタカナ、対になるひらがな、音を表すアルファベットを書きます。



a


i


u


e


o


ka


ki


ku


ke


ko


sa


shi


su


se


so


ta


chi


tsu


te


to


na


ni


nu


ne


no


ha*


hi


fu


he


ho


ma


mi


mu


me


mo


ya


yu


yo


ra


ri


ru


re


ro


wa


o or wo


nn

濁音(゛)

カタカナにもひらがなと同じく濁音があります。濁音とは、カ行、サ行、タ行、ハ行に濁点(゛)が付いた文字です。基本のカタカナが濁った音になります。



ga


gi


gu


ge


go


za


ji


zu


ze


zo


da


ji


zu


de


do


ba


bi


bu


be


bo

「ジ」と「ヂ」、「ズ」と「ヅ」は同じ音になります。

上記のほか、カタカナだけで使われる「(vu)」という濁音があります。これは外来語の本来の発音に近い音にするために使われるため(ヴァイオリン、ヴィーナスなど)、ひらがなでは使われません。

半濁音(゜)

半濁音とは、ハ行に半濁点(゜)が付いた文字です。子音はpになります。



pa


pi


pu


pe


po

拗音(小さい「ヤ・ユ・ヨ」ャ・ュ・ョ)

「イ」段の文字に小さいヤ・ユ・ヨを組み合わせた音を拗音と言います。「キャリア」や「ミュージック」のように使います。

キャ
きゃ

kya
キュ
きゅ

kyu
キョ
きょ

kyo
シャ
しゃ

sha
シュ
しゅ

shu
ショ
しょ

sho
チャ
ちゃ

cha
チュ
ちゅ

chu
チョ
ちょ

cho
ニャ
にゃ

nya
ニュ
にゅ

nyu
ニョ
にょ

nyo
ヒャ
ひゃ

hya
ヒュ
ひゅ

hyu
ヒョ
ひょ

hyo
ミャ
みゃ

mya
ミュ
みゅ

myu
ミョ
みょ

myo
リャ
りゃ

rya
リュ
りゅ

ryu
リョ
りょ

ryo
ギャ
ぎゃ

gya
ギュ
ぎゅ

gyu
ギョ
ぎょ

gyo
ジャ
じゃ

ja
ジュ
じゅ

ju
ジョ
じょ

jo
ヂャ
ぢゃ

ja
ヂュ
ぢゅ

ju
ヂョ
ぢょ

jo
ビャ
びゃ

bya
ビュ
びゅ

byu
ビョ
びょ

byo
ピャ
ぴゃ

pya
ピュ
ぴゅ

pyu
ピョ
ぴょ

pyo

「ジャ」と「ヂャ」、「ジュ」と「ヂュ」、「ジョ」と「ヂョ」は音が同じです。

促音(小さい「ツ」ッ)

促音は小さい「ツ」で表される音で、発音しない音です。音楽の休符のようなものと考えると分かりやすいでしょう。「ショッピング」や「スイッチ」のように使います。

小さい「ア・イ・ウ・エ・オ」ァ・ィ・ゥ・ェ・ォ

小さい「ア・イ・ウ・エ・オ」(ァ・ィ・ゥ・ェ・ォ)は一般的にカタカナでしか使われません。これらは外来語の音になるべく近づけるために使われます。

ヴァ(va)、ファ(fa)
例:ヴァイオリン(vaiorin)、ファミリー(famirii)

ウィ(wi)、ヴィ(vi)、ティ(thi)、ディ(dhi)、フィ(fi)
例:ウィリアム(wiriamu)、ヴィーナス(viinasu)、パーティー(paathii)、ディズニー(dhizunii)、フィンランド(finrando)

ウェ(we)、シェ(she)、ジェ(je)、チェ(che)、フェ(fe)
例:ウェールズ(weiruzu)、シェフ(shefu)、ジェット(jetto)、チェス(chesu)、フェンシング(fensingu)

ヴォ(vo)
例:ヴォルデモート(vorudemooto)

長音

長音とは伸ばす音のことです。ひらがなでは長音は母音を足して表記しますが、カタカナでは、外来語の本来の音に近づけるために「ー」で表記します。長音の前の文字にかかわらず、常に「ー」を使います。

  • 長音の前の文字がア段の場合
    サマ、サモン、スマトフォン
  • 長音の前の文字がイ段の場合
    チャイニズ、ディズニ、コーヒ
  • 長音の前の文字がウ段の場合
    ビー、クル、スパーマン
  • 長音の前の文字がエ段の場合
    マイレジ、メター、ケブル
  • 長音の前の文字がオ段の場合
    ヒー、モニング、オストラリア

カタカナの説明は以上です。現在は外来語を日本語に訳さずにその音のまま使うことが増えているので、これからカタカナを使う頻度がどんどん増えていくと思います。ひらがなと似ている文字と似ていない文字があるので混乱するかもしれませんが、頑張って覚えましょう。